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「おまえ、オレが別れた後、由美に一所懸命モーション掛けてたもんな」
竹下がそう言って根岸をからかった。
「社長!それは言わないでくださいよ!」
「アハハ、そうだったのか?で、その子は今どうしてる?」
「こっちの県にお嫁に来てるみたいですね。今頃は子供の2、3人もいるんじゃないですか?でもね…」
竹下が思わせぶりに言葉を切った。
「一度だけ由美から手紙が来たんですよ…結婚はしたけれど、今でもあなたのことが一番好きでした…みたいなこと書いてあったなあ」
「カア~!この色男!お前んとことは取引中止だ!」
「エエ~!遠山さん、お願いしますよ!」
バカ騒ぎする3人を前に、僕は力なく立ち上がった。
「どうした?真っ青だぞ」
いきなり立ち上がった僕に遠山が心配そうに声を掛けた。
「ああ…今夜は悪酔いしたみたいだ。帰るわ」
「そうか?今日の土曜も働いてたんだろ?明日はゆっくり休めよ」
「ああ…じゃあ」
僕が帰りかけると竹下と根岸が立ち上がり、最敬礼した。
「お疲れ様でした。社長、うちとの取引も検討してください」
竹下の声にあいまいな笑顔で応え、僕はその場を後にした。後ろ姿に竹下と番頭が深々と頭を下げている気配に辟易しながら。

幸いタクシーはすぐに捕まった。
僕はシートに身を沈めながら今夜偶然聞いてしまった事柄を反芻していた。
竹下たちが面白可笑しく話した『ヤタベユミ』については、ほぼ妻の由美のことだと考えて間違いないだろう。
年格好から父親のことまで指摘されては疑い様が無い。
(それでも確定したわけではない。同姓同名がいるかもしれないし、奴らのでっち上げの可能性もある)
そうも考えてみたが気休めにしかならなかった。
もちろん10年も前の過去の話だ。妻にもいろいろあったのは仕方が無い。ただ、それをあからさまに最初の男に曝されたことが衝撃だったのだ。
この分では竹下たちはいろんな場所でこの話を吹聴しているのかもしれない。
同じ業界でもあるし、いずれ妻の耳に入る可能性だってあるのだ。
だからと言ってどうしようというのだ?
竹下に『もう妻のことは話さないでくれ』と頼むか?
バカな。かえって話が派手に広がるかもしれない。
放っておくしか無いのだ。竹下なんかと今後付き合う必要は無いのだから。
そうすれば今後も静かで幸せな家庭を守ることが出来るのだ。

程なく自宅に着き、妻の由美が出迎えてくれた。
「お帰りなさい。早かったわね」
由美はいつものように明るい笑顔で迎えてくれ、反射的に僕も笑顔で返した。
帰宅した時の儀式。子供が起きている時間なら、揃って出迎えてくれる。
よく出来た嫁さんだと思う。
(つづく)

(スマイルジャック情報)
久しぶりの『スマイルジャック情報』です^^
火曜から1泊で山梨県の方に旅行に行きますので、『エッチなおはなし』はお休みします。
一応簡単な旅行記は旅先からアップしますので、よかったら『スマイルジャック日記』の方をお読みください。
でわでわ^^
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2010.04.20 Tue l 背徳エッチへのお誘い l コメント (4) トラックバック (0) l top

コメント

No title
西崎氏の心中はいくばくか・・・。
たまんないシチュエーションにドギマギですね。
まさか自分の妻が知り合いの元カノでエッチビデオを撮らせてたなんて・・・。
しかもこの男たちサイテーですね。
見た上に吹聴してるなんて。(怒)
若気の至り、なんて言葉じゃすまされない~。v-412
2010.04.20 Tue l 萌. URL l 編集
はてさて
あんな?過去があったにもかかわらず由美さんはいい感じの人ですね。
それにしてもこの夫婦がどうなるかが楽しみ………じゃなくちょっと心配(笑)。
萌ちゃんじゃないけど、自慢している連中最低やね。
次回 背徳エッチへのお誘い 第5話 世の中は案外狭いんですよ! 社長!
2010.04.21 Wed l 私の碇で沈みなさいっ!. URL l 編集
萌ちゃんへ^^
西崎氏の心中が複雑ですが、どうもその状況を楽しむ部分があるような・・・
まあ、竹下たちが最低であることは確かですね。
なんとか鉄槌を下さなければ!
2010.04.22 Thu l スマイルジャック. URL l 編集
私の碇でさんへ^^
実は由美さんは最高にいい子なんですよ。
それはおいおい書いていきます。
そして狭い世の中、これからきわどい展開が?
ラストはいまだ思案中です^^;
2010.04.22 Thu l スマイルジャック. URL l 編集

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