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中学2年の夏休み、私は恒例となった母の実家への里帰りに同行しました。
父はこの年は仕事が忙しくて不参加だったので、母と二人での帰郷です。
場所は信州長野県松本市の近郊。
大好きないとこのユリちゃんに会えるのが嬉しくって、何日も前からユリちゃんと、
『ゆきえちゃんが来るのが待ち切れないよ』
「うん、私も今からワクワク」
なんて電話で話し合っていました。
当日、JR松本駅まで伯母さんとユリちゃんが迎えに来てくれました。
「ユリちゃ~ん!」
「ゆきえちゃ~ん!」
私たちは混み合う駅の改札前で子犬みたいに絡み合って再会を喜び合いました。
「あれあれ、あんたたち小学校の頃から全然変わんないねえ」
伯母さんは呆れていたけれど、いいんだもん。私はユリちゃんと会うと嬉しくって子供に戻っちゃうんだもん。
でも当然私たちはもう子供なんかじゃなかった。
特にユリちゃんは身長が伸び、しかも胸なんかもしっかりと充実していて、抱き合った瞬間、ズン!と私の胸を押し返してきたほど。
一方、私はといえば、相変わらず胸もお尻も小さくって…
でも、いいのだ。私にはケンちゃんがいる。ケンチャンは小さな私の胸だって大好きなのだ(たぶん)。
そう、今回はユリちゃんに、恋人のケンちゃんのことを打ち明けようと決めていたのです。

伯母さん運転の車で一度ユリちゃんちに帰ってから、私とユリちゃんの二人だけで近くの公園に出かけました。
夏の信州は東京に比べて格段に過ごしやすいけど、紫外線は強い。だから私たちは大きめの麦わら帽子で陽射しから顔を守ります。若いからこそ美容には気を付けなきゃね。
そして木陰のベンチに座っていろんなことを語り合いました。
最初は学校のことや、クラブ活動のこと、それから好きな音楽やテレビについて話しが盛り上がったのですが、やがてユリちゃんの方から、
「彼氏出来た?」
と、なにげに振ってきました。
ユリちゃんとは何度も電話で話していましたが、ケンちゃんのことを話したことはありません。
だいたいユリちゃんは、自分よりはるかに子供子供している私に彼氏がいるなんて想像もしていなかったと思う。だから今回の『彼氏出来た?』も、ちょっとした社交辞令だったと思います。
私は出来るだけ気をもたせようと言葉を切り、やがて、
「う~ん…うん」
と、首を縦に振ったのでした。
「えっ?ゆきえちゃん…彼氏いるの?」
今度はユリちゃんが絶句した。よほどショックだったのでしょう。
「ええ~!初耳だよ!誰?同級生?」
「う、うん…近所の幼なじみかな」
「そうなんだあ」
ユリちゃん、目が泳いでる。
「ユリちゃんは?」
「私?私はいないよ…でもゆきえちゃんに先を越されてショック~!」
「…えへへ」
最初の衝撃から立ち直ったユリちゃんは、私にしっかと視線を向けると、
「こうなったら詳しく聞かせてもらうからね。正直に答えてよ」
と、笑いながら言ったのですが…目が笑ってないって。
(つづく)

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2010.10.21 Thu l ゆきえの冒険・中学生編 l コメント (2) トラックバック (0) l top

コメント

久しぶりの再会ですね[i:63992]
久しぶりにゆりちゃんと再会ですね?。さてゆりちゃんとゆきえのガールズトークの内容が楽しみだわ
2010.10.21 Thu l 私の碇で沈みなさいっ!. URL l 編集
私の碇でさんへ^^
ありがとうございます^^
碇でさんはこの作品をすでに読んで頂いてると思いますが、細かいところを書き直しています。
もちろん全体のストーリーは変わりませんが。
いや、もしかしたら変わるかな^^;
2010.10.22 Fri l スマイルジャック. URL l 編集

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