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次の土曜の朝、僕らは新宿を目指すべく、急行電車に乗り込んでいた。電車は空いていて、僕ら3人は並んで座るとこれから始まるアドベンチャーについて、あれこれ話しあっていた。
大人っぽい格好と言ってもそんなの持ってないし、結局は3人ともファー付きのジャケットや、パーカー、ジャンパーを着こんで、下はジーンズかチノパン。
はたして18歳と言って通用するのか…。まあ、決めるのは僕らではなく店側なのだから、ここであれこれ悩んでも仕方がないのだが。
3人とも懐には5万ほど用意していた。全財産と言ってもいい。
貴重な金だし、親に内緒でこんな高価な買い物(買い物と呼んでいいものなのか?)をするの初めてだけど、3人とも『もったいない』なんて気持ちは、微塵も無かった気がする。使わなきゃお金じゃないし、今回のプロジェクトは人生に対する有効な投資になるはずだった。
ちなみに僕は、先週の土曜の夜にオナニーして以来、それを自らに禁じていた。後から思えばお笑いぐさだけど、出来るだけ精液を溜めといた方がいいと思ったのだ。
いつもは、ほぼ一日置きにしていたし、ソープランド出陣を決めて以来、頭の中はそのことで一杯で、禁欲にはかなりの意志力を必要としたが、なんとか耐え切った。
後はソープ嬢のお姉さんのあそこに(正確にはコンドームの中に)思いっきりぶちまけるだけ。そんなことを考えていると、溜まりに溜まった下半身がムズムズしてくる。そしてその状況は、正樹も優二も同じように思われた。

9時過ぎには新宿駅に着いてしまい、僕らは駅構内のフードコートに寄り、ホットドックとコーヒーで、簡単な朝食を取った。
緊張が徐々に高まる中、優二がホットドックを齧りながら、正樹に質問した。
「正樹、予約とか入れなくていいのか?」
「まずは、店を外から確認したい。万が一怪しい店構えだったらイヤだろ。それにこの時間帯だから、予約してなくっても混雑ってことは無いだろう」
事ここに至って、僕と優二は、全面的に正樹の判断に従う覚悟だ。
やがて僕らは改札を出て、一度地下に潜り、スタジオアルタの前で地上に出ると、長い靖国通りの横断歩道を渡り、一気に歌舞伎町へと突入した。
朝10時前のセントラル通りは、何とものんびりしたもので、人影よりもゴミを漁るカラスの方が多いぐらい。この街の午前10時は、まだ深い眠りの底にあるのかもしれない。
ところが、コマ劇場跡と映画館街の間の道を抜け、ラブホテルが多い地域に足を踏み入れると、やたらホストクラブが目立つようになり、店の前では、いかにもホストといった感じの若い男たちと、どう見ても高校生にしか見えない女の子たちが、大声ではしゃぎ合っていた。
「あの子らがホストクラブに入れてもらえるんなら、オレたちがソープに行くことも問題なさそう」
体をくっ付けてじゃれあう男女を横目で見ながら、優二が小声で言った。
「しっかし、ホストクラブって朝までやってんのな」
賑やかなクラブの前を通り過ぎながら、優二が問いかけ、正樹がクールに答える。
「風適法の改正によって、ホストクラブは午前1時から夜明けまでは営業できなくなったんだ。だから今の時間は『第2部営業』の真っ最中ってところだろう」
「…お前、いつそんな情報仕入れるの?」
「ソープを調べた時、ついでに調べた」
そうこうしているうちに、目的の『ニューキャッスル』の看板が見えてきた。意外と地味で小さなネオン看板だ。
僕は、足が震えるような緊張感とワクワク感に襲われた。
入口はスモークになった自動ドアで、入口の脇に小型の花輪が一つ。おそらく客引きというのだろう、髪を短く刈った男が一人、ダウンジャケットを着て寒そうに入口に立っていた。
僕らは一度店をやり過ごした。店の前は市場のように大きな魚屋さんで、数人の男たちが忙しそうに立ち働いていた。
「あの男は客引きかな?」
「うん。風営法では敷地外に立っちゃいけないから、まあドアボーイみたいなものだろう。評判のいいソープは、強引な客引きをしなくても客は来る」
ワンブロックほど歩いてから、ニューキャッスルを振り返り、僕らは最後の軍議を開いた。
(つづく)

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2011.04.22 Fri l ソープ嬢ナナちゃん l コメント (2) l top

コメント

最近の高校生位の奴って
中学生くらいにしか見えない奴とオッサンにしか見えない奴との差がすごくはげしいよね。昔はここまでひどくなかったのに。
2011.04.23 Sat l 私の碇で沈みなさいっ!. URL l 編集
私の碇でさんへ^^
そうなのかもしれませんね。
果たして碇でさんはどちらだったのでしょう^^
2011.04.24 Sun l スマイルジャック. URL l 編集

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