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もちろん、母は仕事の一環としての気持ちで旅行に応じたのだけれど、実は三浦さんに対して友情のようなものを感じ初めていたのも事実。母としては三浦さんの幸せな結婚を目指した戦友、バディとしての感情だと思い込んでいたのだが、すでに母も気付かないうちに友情が恋愛感情へと育っていたのかもしれない。
母がクライアントの男性と二人で旅行に行くと告げられた時、私は呆れて開いた口が塞がらなかったが、単純な父は、『そういうものなのか?』と、たいした疑いもなく了承してしまった。
かくして母は、三浦さんとの一泊旅行に出発した。そして、この旅行こそが母と三浦さん(ついでに父にとっても)の、人生のターニングポイントになったのだった。

一応旅先では別々の部屋を予約してはあったものの、食事の後、三浦さんの部屋で結婚のレクチャーをいろいろ受けるうち、女性経験の乏しい三浦さんが、キスを教えてほしいと求めた。はじめ、冗談を言っているのだと取り合わなかった母だったが、三浦さんの懸命な子犬のような目(40歳を過ぎているのですが)を見て、つい断りきれなくって…
かくして、中学生のような大人しいキスから始めた母の接吻レクチャーは徐々にエスカレートして行き、ついには唾液ベタベタなディープキスへとスキルアップ。母は知識を総動員して各種のキスを指導するうち、二人の情熱はとどまるところをしらず、ついにはセックスの練習までしてしまったのだった。まさに青春真っ盛りの二人だったのだ。
(ちなみに、ここら辺のことは、母が濁した言葉尻から私が勝手に想像したもの。悪しからず)
こうして盛り上がった母と三浦さんは朝までセックスの実習に没頭。そして、しっかりと手をつなぎあって帰京する頃には、母は、父と別れて三浦さんと一緒になる決意をしていた。

いきなり三浦さんの訪問を受けた私と父は戸惑ったが、その場で土下座されてさらにビックリ!そして、母を愛しているから譲って欲しいと悲壮な表情で言われてまたまたビックリ。
母は三浦さんの横で、落ち着き払った声でそれまでの経緯を語り始めた。
そして、私を一番驚かせたのは、父がたいした抵抗もせずに、その懇願を受け入れたことだった。
私はさすがに頭に来て、『お父さん!それでいいの?』と、詰め寄ったけれど、父は寂しげに笑うだけ。
こうして両親の離婚は電光石火のスピード、急転直下の勢いで決まってしまった。

今となってみれば、私にも父の気持ちがわかるような気がする。父は、母のことを愛していたが故にその幸福を考えて身を退いたのだ。
父の決断に母も三浦さんも涙を流して感謝し、そして感動したみたいだ。
三浦さんは、もともと父の倍以上の年収があり、しかも仕事一筋の独身人生で多額の貯金を持っており、それを全額父に譲りたいと言い出したが、もちろん父はそれを固辞。母は、そんな父の性格を知っていたので、自らが勤める結婚紹介サービスで、新しい伴侶を探させて欲しいと申し出た。
父も、それは辞退しなかったので、三浦さんは、せめてその費用だけでも負担させて欲しいと言い張り、結局父は、『どうも…すみませんね』と照れ笑いしながら、それを受け入れたのだった。
(つづく)

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2012.10.14 Sun l 母と私とおじさんと+1 l コメント (2) l top

コメント

なんだかねー
客と寝て、んでお父さんと離婚して客と結婚するんですよね?。

しかしまぁ、お父さんよく離婚に応じたねぇ(笑)。

しかしお父さん結婚相談所で絶対に「客に嫁を寝とられた男」っていわれそう。
2012.10.15 Mon l 大高忠敬. URL l 編集
大高忠敬さんへ^^
普通じゃあり得ない状況でしょうね^^;
お父さんが可哀想ですが、幸せになって欲しいですね^^
2012.10.15 Mon l スマイルジャック. URL l 編集

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